ブログ 坂東観音道中記②タイトル
坂東三十三観音  
 
前回から11ヶ月近く経ってしまいましたが、先日、第八番の妙法山星谷寺(しょうこくじ)へ行って来ました!
GW前に先生の事務所に遊びに行った時、『出来れば本年中に結願したいなぁ・・・』って話をしていたのが懐かしい・・・
お互い予定が合わずこの有様です(笑)

今回、自分は野暮用で厚木に居たんですが、午前中で用事が済んだのでダメもとで先生を誘ってみたらOKとの事!
そんな感じで急遽坂東札所巡りとなったのでした・・・常に御朱印帳を持参していた自分のファインプレーですね(笑)

目的地は座間市なので現地集合とゆー事になりました・・・
星谷寺1 星谷寺2
自分は約束の時間より少し早めに坂東三十三観音霊場第八番札所、星谷寺(星の谷観音)に到着・・・無料P有り!
ココは真言宗大覚寺派の寺で、創建は天平年間、開基は行基、本尊は聖観世音菩薩です・・・

先生の到着を待つ間にちょっと境内を散策してみました・・・
ちなみに寺の公式HPがあるんですけど、斎場の紹介だけで、縁起とかは何も記されていません(笑)

取り敢えず【観音霊験記】を見て置きましょうか!
観音霊験記 星谷寺 観音霊験記
坂東順禮第八番 相州鎌倉郡座間の郷 妙法山星谷寺

御詠歌
障りなす 迷の雲を 吹はらし 
              月もろともに おがむ星のせ

奉額
補陀らくの 山は妙法 蓮花草
              誰も安座に こゝぞほしのや

見不知森
当山の旧地は、今より五、六丁北の方角の見不知森という所でした・・・ココは不知八幡の如く、人々は恐れて木こりや草刈りにも入りませんでした・・・
天平年中に行基が訪れ、この山に籠もっっていたら、不思議な事に法華経を読む声が聞こえて来ました・・・
行基が棘を掻き分けて、この霊像を感得し、直ちに仏閣を営んで観音の霊場としました・・・
しかし後年、鎌倉兵乱の巻き添えに遭った際、本尊は火中より飛び出して今の地の大樹に止まられました・・・
故にココを有縁の地と定めました・・・
当寺に星の井がある事から星谷寺といいます・・・
また、本尊が山中で自ら法華経を読んでいた事から妙法山といいます・・・
てな事が書かれています・・・
絵の坊さんは恐らく行基なんでしょうねぇ・・・糸紡ぎをしていた女性に何か尋ねたんでしょうか?
女性は背後の山を指差しています・・・これが見不知森(みしらずのもり)なんでしょう・・・
何か森から七本の筋が伸びていますが、法華経を読む声を表している物と思われます・・・
そして女性の背後には『子泣き爺』という妖怪がいます(笑)・・・背負っていると段々重くなり、終には押し潰されてしまうそうですが、仰向けに倒れば被害は受けずに済むんではないでしょうか?

1町=109.09mなので、見不知森は現在地より545.45m~654.54m北方にあった事になりますね・・・
ちょうど米軍の座間キャンプ付近にあったんでしょうかねぇ?
そーいえば座間キャンプにはゴルフ場があって、米軍関係者の紹介があればプレー出来るらしいですよ!

自分も横須賀に住んでいた頃は隣にアメリカ人が住んでいて、2コ上のマイクと1コ下のハーリーちゃんと一緒に子供の頃は良く米軍施設内に遊びに行きました・・・
子供用プールにウンコが浮いてて監視員が網ですくっていたのが今でも忘れられません・・・
オジサンの作るチリビーンズが異様に美味かったなぁ(笑)

見不知森かどーかは知りませんが、星谷寺の東側には座間谷戸山公園なる物があります!
自然を生かした中々イイ感じの公園だと思います!
調べてみると、もともと観音堂はこの公園内の『伝説の丘』と呼ばれている場所にあった様です・・・
てー事は座間谷戸山公園=見不知森って事になるんですかね?・・・ふ~ん・・・

先生はお盆に子供達を連れて訪れた様で、ヒマワリが有名な公園だといっていました・・・
伝説の丘は気になりますが、今回は他に巡りたい場所があるので割愛(笑)

星谷寺の駐車場に寺の縁起があるので見てみましょう!
星谷寺縁起
鎌倉十井のひとつに星ノ井がありますが、ココにもあったんですねぇ・・・
星谷寺七不思議ってのがあるらしいですが、5つしか紹介されていません・・・残り2つが妙に気になります(笑)

ちなみにタイトルバーの画像の通り寺紋は『九曜』でした・・・千葉氏の妙見信仰(北極星、北斗七星)と結び付けてしまうのは自分の考えすぎでしょうか?(笑)
【相馬次郎師常】のページで相馬天王の九曜を紹介しましたが、あれはモロに妙見信仰から来ている物です・・・
相馬次郎師常千葉常胤の次男ですから・・・
高徳院の仁王像の乳首が九曜紋みたいだ・・・と、くだらない事もいいましたが、ここの仁王像の乳首は普通でした(笑)

でもこの星谷寺は星に所縁のある寺の様ですから、何となく九曜紋がしっくり来ますよね?
●は易学上では星ですから・・・まぁ、どーでもいーか(笑)
星谷寺の仁王像 星谷寺梵鐘
仁王様の許しを得て進んで行った先に観音堂はあります!
でも仁王様の左後ろに鐘楼があり、案内板も立っていますんで、取り敢えずそちらを見てみましょうか!

それにしても銀杏がイイ感じに色付いています!
写真を撮っている方も何人かいましたが、コレは確かに良い絵が撮れるだろうなぁ・・・と、素人ながらに思いました!

何気にこの季節に訪れて正解だったのかも知れません!
一歩間違えればギンナン爆弾にやられていたかも知れませんが、今回はベストなタイミングでしょう!
星谷寺梵鐘の案内板
梵鐘は国重文の様です・・・嘉禄3年(1227)の銘があり、全国の現存する梵鐘の中で50番目、そして関東以北では2番目に古い物であると書いてありますね・・・でも、坂東札所三霊鐘には選ばれなかったのね(笑)

寄進者に佐々木信綱が名を連ねています・・・彼は頼朝に仕えた佐々木四兄弟の長男定綱の息子です!
佐々木四兄弟は頼朝の信頼厚く、源平の合戦でも大活躍しています!
【御馬冷場】のページで詳しく述べましたが、四男の高綱が頼朝から賜った池月という名馬に跨り、宇治川で先陣を取った話は有名ですよね!
星谷寺梵鐘2 星谷寺梵鐘3
確かに梵鐘には鐘座がひとつしかありませんでした・・・だから何だといってしまえばそれまでですが、珍しいのかな?
そこまで鐘に詳しくないし興味も無いので良く分かりませんが、『奇鐘』と呼ばれているんですから珍しいんでしょう・・・
星谷寺3 星谷寺4
参道は銀杏の落葉で埋め尽くされています・・・フカフカで気持ちイイ・・・
右側に目をやると、
星谷寺弘法大師像 咲き分け散り椿
弘法大師像・・・そして市指定天然記念物の咲き分け散り椿があります・・・星谷寺七不思議のひとつですね!
市重文である事を示す標柱に説明があるので見てみましょう!

市指定重要文化財(天然記念物) 咲き分け散り椿 一株

寺伝によると「椿寺」として知られる京都の地蔵院から移植したものといわれます。
花は純白・紅色に斑入模様・淡紅・濃紅・白色に紅の斑入りと五通りに咲きます。
また、椿の花弁は一般にひとかたまりのまま散りますが、これは一枚ずつ散ることから「咲き分け散り椿」と呼ばれています。
                                              平成二十年九月 座間市教育委員会

一枚ずつ散って行くって・・・ツバキじゃなくて実はサザンカだったりして(笑)・・・どっちも似ていますからね・・・
まぁ、まだツバキの季節にはちょっと早いですね・・・散る以前に咲いていません・・・
星谷寺5 星谷寺の宝篋印塔
参道左側の銀杏の存在感がハンパないですが、まだ右側には巨大な宝篋印塔があります!
同じく標柱が立っていますがコレも七不思議のひとつに数えられているんでしょうか?

市指定重要文化財 宝篋印塔(昭和五十三年十二月二十三日指定)
この塔は宝暦十三(1763)年に建立され、大正十二年(1923)年の関東大震災で倒壊したものを補修復元したものです。
宝篋印塔は宝篋印陀羅尼経(だらにきょう)という仏教の根本を要約した経文を納める塔として、原初の形式はインドで発生しましたが、我が国では独自の変化をし、供養塔や墓碑とされ、鎌倉時代に至って形式がほぼ一定し江戸時代中期からは特に大型のものが造られるようになりました。
この塔はその大型化した一例ですが、近郷に類をみない壮大(高さ五・五二m)で美しい宝篋印塔です。
また、刻まれた願文や村人の名などによっても当時の人々の信仰の様子がうかがえる貴重な資料でもあります。

                                              平成十九年十月 座間市教育委員会

確かにデカいですねぇ・・・でもそんなに古い物ではないです・・・おまけに七不思議でもなかった(笑)
説明文のゆー通り、日本で『宝篋印塔』っていったら供養塔ってイメージが強いですよね?
星谷寺観音堂1 星谷寺観音堂2
さぁ、いよいよ観音堂に突入です!・・・つーか先生遅いなぁ?・・・境内全部見終わっちゃいそーだよぉ・・・
まぁ、まだ約束の時間にはなっていないんですけどね・・・ひとりで見ててもつまらんなぁ・・・でも暇なんで見ます(笑)
星谷寺観音堂3 星谷寺観音堂4
星谷寺観音堂5 星谷寺観音堂6
星谷寺観音堂7 星谷寺観音堂8
星谷寺観音堂9 星谷寺観音堂10
極彩色に包まれたの天女や歴史を感じさせる品々・・・
堂内は中々に趣のある雰囲気を醸し出しています・・・さすがの坂東札所っていった所でしょうか?
妙にプラスチックっぽいツルツルの賓頭盧尊者がちょっと浮いていますけど(笑)
星谷寺聖観世音菩薩 星の谷観音七不思議
阿弥陀如来、薬師如来・・・う~ん、観音様は厨子の中に居らっしゃる様ですね・・・
残念・・・今年は御開帳されていると思うんですが、いつだったのかな?

観音堂を出て右へ進むと納経所と本堂がありますが、『星の谷観音七不思議』なる案内板を見つけました!
良く見てみると、アレ!?・・・ココへ至るまでに既に2つの七不思議を見落としているじゃぁないですか!
マジすか?・・・全然気付かなかったよぉ・・・
根下り紅葉の老木 どーやら2つ目の七不思議の根下り紅葉の老木は観音堂内にあった様です・・・全然気が付かなかった・・・
触ると乳の出が良くなる言い伝えがあるそーです!

3つ目の七不思議である観音草(別名田村麻呂草)は先程の咲き分け散り椿の横らへんにあった様です・・・
でも、それらしい物は見当たらなかったんすけどねぇ・・・
まぁ、いーか・・・
別名の田村麻呂草の由来ですけど、
何でも坂上田村麻呂がこの草を使って病気を治したとか何とか・・・みたいな感じらしいです・・・
星谷寺6 星谷寺7
門を潜った正面には本堂が、右側にはお洒落な感じの庫裏があります・・・
星谷寺8 星谷寺9
本堂には『妙法山』と記された扁額が掲げられていました・・・
庫裡の辺りに6つ目の七不思議の楠の化石があるんでしょうか?・・・でもそれらしい物は見当たりませんでした・・・

庫裡と本堂を繋ぐ通路の下はトンネルになっていて、恐らく墓地方面へ向かっていると思われます・・・
意外と低いので頭をぶつけない様に注意して下さい!・・・ちなみに自分はぶつけました(笑)
水琴窟1 水琴窟2
トンネルを抜けた左側にはトイレ、右側には水琴窟がありました・・・七不思議とは関係ありませんけどね・・・
テキトー
過ぎるオッサンの絵が妙に腹立たしいです(笑)

水琴窟(すいきんくつ)
手しゃくにて少量の水を玉石にお掛け下さい。水が水滴となって中に落ち音がします。
水琴窟の音を聞くときは、竹筒を耳に当ててお聞き下さい。

やってみようと思ったんですが、玉石に掛ける水がありませんでした・・・
トイレで水を汲んで来ようか迷いましたが、そこまでして聞くモンでもないか・・・と、思いとどまりました・・・
水琴窟の音を聞くのに必死な自分の姿を先生にでも見られたらちょっと恥ずかしいですしね(笑)
星谷寺星の井戸1 星谷寺星の井戸2
そして、水琴窟のすぐ先には4つ目の七不思議である星の井戸がありました!

星の井戸
当寺七不思議のひとつです。観音様の霊異により、昼でも星が写って見えるという言い伝えがあります。

と、説明されていました・・・中を覗いてみると結構深い様で、水面に小さく映る自分の姿が見えました・・・
ちなみに星は見えませんでした・・・今となっては観音様の霊異とやらも薄れてしまったのでしょうか?
はたまた信心の薄い自分には見えないだけなんでしょうか?・・・まぁ、どーでもいいですけどね(笑)

そのまま進んで墓地へ向かい、最後の七不思議である不断開花の桜とやらを探しに行きましょうか!
不断開花の桜1 不断開花の桜2
墓地には見るからにそれらしい物が1本ありますが、案内板がありません・・・
一応墓地を隅々まで探索してみましたが、コレ以外にそれと思われる物は見当たりませんでした・・・

まぁ、恐らくコレなんでしょうけど・・・仮にも『星の谷観音七不思議』と題しているんですから、それぞれに案内板のひとつでも建てて置くのが参拝者に対する優しさってモンじゃないでしょうか?

何だかんだでひと通り境内を見て回ってしまいました・・・そろそろ先生との約束の時間ですし駐車場に戻りますか!
星谷寺の銀杏
来た時は少し曇っていましたが、雲の切れ目からちょっと晴れ間が覗いて・・・
これは美しい!・・・正に黄金の絨毯です!・・・写真では伝わらないと思いますが、地面が眩しかったです!

しかし、それも一瞬で、またまた陽の光は雲に遮られてしまいました・・・
そして先生の到着です・・・あと2、3分早く来てればこの神々しい景色を堪能出来たであろうに・・・
残念な人である(笑)・・・この話をすると、先生は少し悔しそうにしてらっしゃいました・・・

2人で再び境内を軽く回った後、納経所に入り御朱印を頂きました!
星谷寺の銀杏2 星谷寺の銀杏3
う~ん・・・キレイですけど、やっぱ先程の黄金の絨毯を見てしまった自分には少し物足りなさを感じてしまいます・・・
星谷寺の御朱印 本堂前で恒例の御朱印撮影!
ダイナミックなタッチで威厳と迫力を感じさせますね!

そーいえば納経所には券売機が置いてあり、¥300をブチ込んで『納経帳』と書かれたボタンを押し、それを渡して御朱印を頂くというシステムでした・・・
なんか機械を通したやりとりってどーしても味気ない感じがしてしまいますよね?
寺側としては金の管理が楽なんでしょうけど・・・
まぁ、とにかくこれで一応、相模国の札所は制覇した事になりました!
年内に結縁するってゆー当初の目的はドコへやら(笑)・・・散華は集めたかったなぁ・・・
まぁ、仕方ありませんよ、2人とも社会人ですから都合良く事が運ばない事もありますって!

次回は来年の正月休みあたりに埼玉方面の札所を巡るつもりでいますが、どーなる事やら?(笑)

おまけ


星谷寺星の井戸3 星の井戸が何となくアフロっぽかったんでこんな感じに仕上げてみました・・・
くだらないっすね・・・すいませんでした・・・ハイ・・・

せっかく座間くんだりまで来て星谷寺だけってのもアレなんで、御朱印を頂いた後、先生と付近の物件を少し巡る事にしました・・・
その道程は観音道中記外伝①で一応お伝えしようと思っています・・・
観音草? あ、そーそー、3つ目の七不思議の観音草(田村麻呂草)がある辺りを撮ってみましたが・・・
この中にあるんでしょうか?
何か違う様な気がするんですけど・・・だってコレは(笑)

ちなみに後で知りましたが、6つ目の七不思議の楠の化石は納経所の中にあった様です・・・
券売機に目が行ってしまって全然気付かんかった(笑)
振ると音がするんだそーですよ!
まぁ、そんな感じで今回は星谷寺の紹介だけになりました・・・それでは、また逢う日まで!(笑)

おしまい
坂東観音道中記 坂東観音道中記
ダム 上へ     HOME     BACK